漫画がきっかけで「文化系」熱中するものがあるのは素晴らしい・・・春秋 八葉蓮華

 とめはね、けいおん、おちけん、バクマン。さてこれらは一体、何の名前でしょうと聞いても、漫画通の方々には易しすぎるクイズかもしれない。いずれも最近の人気作の題名であり、文化系の青春をさわやかに描写した点で共通する。

 「とめはねっ!」の舞台は高校書道部。基本を学ぶ姿を描きつつ、好きな歌の詞などを踊りながら大書するという現代風の活動風景も登場する。実際にこうした「パフォーマンス書道」は各地で盛んであり、漫画には実在の書道部の作品も使われる。レジャー白書の調べで書道人口が増加した一因でもあるという。

 「けいおん!」は同じく軽音楽部が舞台で、登場する楽器が大人気に。「おちけん」は大学落語研、「バクマン。」は漫画家を目指す少年らの物語。廃部寸前の部を救おうと奮闘したり、出版社で編集者に怒られたり。ほかに競技カルタや茶道のヒット作もあり漫画がきっかけで関心を持つ人も増えているそうだ。

 甲子園では球児らの夏が間もなく終幕。負ければ終わりの真剣勝負をまぶしく観戦しつつ、運動に縁遠かった高校時代を思い出し「野球だけ、スポーツだけが青春ではないぞ」などと心中つい力んだり。何であれ10代の一時期、熱中するものがあるのは素晴らしい。残り少ない夏を悔いなく過ごしてほしいと願う。

春秋 日本経済新聞 8/24
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