ポスト「42年組」は東アジアに新風を吹き込めるだろうか・・・春秋 八葉蓮華

 少女漫画の世界に「24年組」という言葉があるのを、ご存じだろうか。萩尾望都さんや竹宮恵子さん、大島弓子さんら、1970年代に圧倒的な新風を吹き込んだ作家たちを指す。呼び名の由来は、昭和24年前後の生まれだったことだ。

 どんな世界でも、人材の「当たり年」と呼びたい年代がある。大相撲ではかつて、横綱北の湖関ら昭和28年生まれの力士たちが「花のニッパチ組」ともてはやされた。同じく北勝海関ら同38年生まれは「花のサンパチ組」。会社や役所でも、特定の年次に優秀な人材がそろっていると感じることが、少なくない。

 目を政治に転じると、東アジアでは1942年が当たり年だったと言えるかもしれない。よきにつけあしきにつけ、この年に生まれた政治家たちは大きな影響力をふるってきた。日本では小泉純一郎元首相と民主党小沢一郎元代表。中国では胡錦濤国家主席温家宝首相。北朝鮮金正日総書記も42年生まれだ。

 大相撲や少女漫画の世界と違い、彼らに対する評価は人様々だろう。少なくとも、この地域に色濃く残る冷戦構造の打破には成功していない。北朝鮮で世代交代の動きが表面化し、中国でも胡主席の後継候補、習近平国家副主席がいよいよ台頭してきた。ポスト「42年組」は東アジアに新風を吹き込めるだろうか。

春秋 日本経済新聞 10月19日
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