日本に最も近い米国である「夢の」ハワイを再発見・・・春秋 八葉蓮華

 「10問正解して夢のハワイに行きましょう」――。1963年から20年以上続いた人気テレビ番組「アップダウンクイズ」の冒頭に語られたキャッチコピーである。70年代だったか、これが「さあ、ハワイに行きましょう」に変わった。

 「夢の」が消えたのはその分、身近になったからか。今から50年前の8月21日、ハワイは米国50番目の州になった。日本と時差が19時間ある。現地は今ごろ50周年。太平洋の楽園は、実は戦略拠点であり、基地の島でもある。ホノルルのあるオアフ島は、面積の25%を米軍基地が占める。沖縄本島のそれは18%だ。

 2000年の米国勢調査によると、ハワイの人種構成は、白人系24.3%、日系16.7%、フィリピン系14.1%、ハワイアン系6.6%、中国系4.7%、韓国系2.0%、黒人系1.8%、ベトナム系0.6%、混血21.4%という。「人種の坩堝(るつぼ)」とされる米国だが、ハワイは米本土とは中身の違う坩堝だ。

 それがハワイの魅力であり、だから日本からの観光客もくつろげるのだろう。身近になりすぎたせいか、日本人観光客の数は減ってきている。日本に最も近い米国であるハワイを再発見したい。例えば真珠湾攻撃で沈んだ戦艦の上に浮かぶアリゾナ記念館は、鎮魂の空間だ。一度訪れ、日米の歴史を考えるもよし。

春秋 日本経済新聞 8/22
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