ゆとりは自分で作るもの「夏休み」雑事にかまけている人ほど仕事の要領が悪い・・・春秋 八葉蓮華

 大雨による災害が相次いでいる。被災された方々にお見舞い申し上げる。夏休みの計画が台無しになった人も少なくないだろう。だが出歩かなくても過ごし方はいろいろある。日ごろ忙しくしている人には、ゆっくりする絶好の機会だ。

 不景気で気苦労は絶えないが、休みも取らずに働いても成果は上がらない。電子部品メーカーのTDKを世界的な企業に育てた元社長の素野福次郎さんは辛らつだった。「ゆとりは自分で作るものだ。予定をびっしり入れて、忙しがっているのは、どうかしているよ。雑事にかまけている人ほど仕事の要領が悪い」

 社長時代、素野さんは仕事が済めば、さっさと早引けしたそうだ。「用が無くても終業時間までいるような人間はもともと社長の器ではない」と明快である。とはいえ普通のサラリーマンは上司の指示には逆らえない。どうでもよい資料作りから出張先でのお偉いさんの世話まで、雑用に追われることもよくある。

 パナソニック会長の中村邦夫さんは社内分社の社長に就いた時、無駄な会議や虚礼を一切やめさせた。メールで済む報告に部下がぞろぞろ来るのを許さなかった。妙に気配りのできる社員をかわいがる経営者は、得てしてゴマすりに弱いから要注意だ。雑事に煩わされず夏休みがとれる会社ほど元気なはずである。

春秋 日本経済新聞 8/11
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge