この国は滅びる「最後の賭け」国民を苦しめる独裁者・・・春秋 八葉蓮華

 きのうでヒロシマナガサキは終わった、などと思ってはいけない。国際社会の声を聞こえぬかのように2度の核実験をした北朝鮮は、国連安保理の制裁決議があっても、態度を変えない。かの独裁者はいま何を考えているのだろうか。

 キヤノングローバル戦略研究所が先月、元外交官の宮家邦彦氏を中心にゲームを実施した。南アジア某国の核兵器がテロリストに流れ、国連安保理が某国への制裁を議論する。某国は外交努力をしないのに、米国への反発からか、かばってくれる国が多い。某国大統領を演じた参加者は「だから核は手放せない」。

 北朝鮮への制裁は効かない。そう語る専門家が多い。しかし「金正日最後の賭け」を著した張誠ミンさんの話によれば、日本の制裁、とりわけ万景峰号の受け入れ停止は響いている。エネルギー不足の北朝鮮では、移動に自転車を使う。万景峰号が運ぶ1台500円の中古自転車が入ってこなくなった。痛いらしい。

 張氏は、かの独裁者が理想とするのはタイ王室という。国民を苦しめる独裁者の理想が、国民から敬愛されるタイ王室とは驚く。三男正雲氏の後継説がある。「26歳の若者に任せたらこの国は滅びる」と独裁者は考えているようだ。あの国の苦境は深まっている。クリントン訪朝受け入れも、そのためだったのか。

春秋 日本経済新聞 8/10
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