おとなの自覚、成年の年齢「18歳」若者が将来の国づくりの中心・・・春秋 八葉蓮華

 「王子」なる言葉がもてはやされるのは、さわやかさや清潔さだけでなく、少年からおとなへ脱皮しようとする健気(けなげ)な若者のイメージがあるからだろう。ハンカチ王子しかり。ハニカミ王子しかり。しかし、この王子にかぶせる冠は「ハジナシ」しかなかろう。

 プリンスホテル日教組との契約をめぐって厳しい判決を受けた。この王子、集会場として貸す契約をいったん結んだのに一方的に破棄した。その後、裁判所に会場を貸すよう命じられても無視した。そんな姿勢を、おとといの東京地裁の判決は「司法制度の基本構造を無視した」とこてんぱんにやっつけている。

 法制審議会の部会が民法が決めた成年の年齢を20歳から18歳に引き下げる方向を打ち出した。民法がおとなと認めれば、親の傘から離れて契約を結ぶことができる。ということは、プリンスホテルのように勝手に「やーめた」と言えなくなる。悪徳商法に肌身をさらすことにもなるわけだ。

 18歳になればおとな。そう決めると「若者が将来の国づくりの中心だという国としての強い決意を示すことにつながる」と法制審は勇ましい。一方で、「現代の若者はおとなの自覚に欠けるとの指摘がある」と不安げでもある。脱皮に苦しむ王子、王女には、まずハジナシ王子を反面教師とすべし、と言っておく。

春秋 日本経済新聞 7/30
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