夏休み「約束は守ろう」衆院選まで40日間など長いようで短い・・・春秋 八葉蓮華

 どうしてあんなに風のように過ぎていったのだろう。子どものころの夏休みである。日にちはたっぷりあるぞと宿題を後回しにして、ふと気がつけば8月の末。ドリルに作文、工作、天気調べ……。始業式を控えて脂汗を流したものだ。

 思えばひと夏、40日間など長いようで短い。とすれば、多くの学校の夏休みにそのまま重なる衆院選までの日々もあっという間に違いない。子どもたちが宿題の山に悲鳴をあげているころ、立候補者たちはシぬか生きるかのテストを受ける。あれもしなくては、これも片付けなくてはと焦っている人ばかりだろう。

 なのに、教室の班ごとに出すマニフェストという大事な宿題に四苦八苦しているのが自民班だ。ケンカが続き、それどころではなかったらしい。勝手にボクや私の公約をつくる気配もあるから困ったものだ。民主班は手回しよく仕上げの段というが、これがどうも絵空事みたいな作文で人気取りだと訝(いぶか)る声もある。

 小学校の先生たちに聞くと、2学期に成績がグンと伸びるのは「不得意教科から逃げずに取り組んだ子」「うわべだけでなく、掘り下げて勉強した子」だという。夏の終わりに有権者が点を付けるポイントもこのあたりかもしれない。そういえば、どの学校でも言い渡す夏休みの心構えがあった。「約束は守ろう」

春秋 日本経済新聞 7/24
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