未解決の課題ばかり、各党の公約をじっくり検討し、この国を託す・・・春秋 八葉蓮華

 契約4年、中途解雇あり、更新希望者も新人に交じり一から就職活動を。衆院議員とは大変な仕事である。そんな不安定な職に就く478人(定員480、欠員2)がきのう、失職を告げられ、万歳を唱えた。思えば不思議な習慣だ。

 由来は不明らしいが一般の人にはかなり違和感があろう。重要法案の廃案、経済混乱の中での政治空白、彼らの再就職のための選挙費用。どうもすみません、と国民に頭を下げてもよさそうな気がするが。少なくとも与党議員は少し申し訳なさそうな顔をしていてもいい。野党も浮かれている場合ではないはずだ。

 日本の政治の特徴は時間が少ないことだと、元東大学長の佐々木毅氏は近著「政治の精神」で指摘する。厳格な会期制に3年ごとの参院選、いつあるか分からない衆院選にトップの頻繁な交代。未解決の課題ばかりが山積する。「時間管理は自己管理の基本。それができない政党は使命を果たせない」と手厳しい。

 解決手段の一つがマニフェスト政権公約)だそうだ。選挙で国民が認めた公約を、与党と内閣が不毛な対立をせず、速やかに実行すればいいからだ。貴重な時間を40日も費やす総選挙。万歳三唱で気合が入る候補者らの切った張ったを面白がるよりも、各党の公約をじっくり検討し、この国を託す先を見極めよう。

春秋 日本経済新聞 7/22
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