「時勢は、人を造るものだ」首相にしたい本命が見当たらない・・・春秋 八葉蓮華

 幕末に活躍した勝海舟は「大事業を仕遂げるくらいの人は、かえって世間から悪くいわれるものさ。おれなども、一時は大悪人とか、大奸物(かんぶつ)とかいわれたっけ」と言っている(「氷川清話」勝部真長編)。では今注目の麻生太郎首相は?

 「決断力がない」「言うことがぶれる」「漢字が読めない」。身から出たサビと言ってしまえばそれまでだが、うんざりするほど悪評が多い。自分を「オレ」などという言葉遣いをするうえに、このごろは険しい表情が多くみられ、テレビ映りはあまり芳しくない。しかし「大悪人」かと言えば違うだろう。

 ただ不人気なだけだ。日本経済新聞社がまとめた「社長100人アンケート」(6月29日付日経産業新聞)によると、総選挙後の首相に最もふさわしい人は「鳩山由紀夫」が5.8%でトップを占め、5.1%の「与謝野馨」が2位、麻生さんは4.4%で3位だ。自民党支持者が多いはずの経営者でこれである。

 もっとも「その他」が31.4%、無回答が46%に上る。首相にしたい本命が見当たらないというのが大方の意見だろう。政界ばかり言っていられない。経済界でも経営者の小粒化が言われて久しい。勝海舟は「時勢は、人を造るものだ」と指摘している。政治家は選挙で経営者は不況を機に、鍛えられるだろうか。

春秋 日本経済新聞 7/15
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