世界最大手の米グーグルと国内検索最大手のヤフーが提携する・・・春秋 八葉蓮華

 たとえば、南米アンデス地方の民俗楽器「チャランゴ」について知りたいとき、どうしますか。古代エジプト象形文字ヒエログリフ」はどうでしょう。はたまた近年の百貨店業界の売上高は? こんど出張する町で人気の居酒屋は?

 どれもインターネットで調べれば大体のことが分かるご時世だ。世界情勢からきょうの晩ご飯まで、検索バーに言葉を打ち込んでクリックするとサイトの情報が並ぶ。昔ならチャランゴは図書館で本を探し、うまい店は人に尋ねただろう。そうしなくても済むネットの検索エンジンは暮らしも勉強も仕事も変えた。

 国内検索最大手のヤフーが、世界最大手の米グーグルと提携する。これで日本でのグーグルの検索シェアは実質9割に達するそうだ。何でもまず検索の時代に、ひとつの企業が情報探しの入り口を制圧するわけだから影響は大きい。その網に引っかからない事柄はネット上に存在しないも同然ということになろう。

 特定のサイトを検索結果の上位に表示させる作戦も盛んらしい。グーグルに拾ってもらう術があると聞く。ならば、そのへんをわきまえてサービスを使うことだ。よい情報はネットの奥に隠れているかもしれず、そもそも図書館の本の中だけの話もある。バーに文字を入れるとき、ちょっと指を止めてみてもいい。

春秋 日本経済新聞 7/29
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