国立メディア芸術総合センター「ポンチ絵」とりあえずハコモノのポンチ絵を描いてみました・・・春秋 八葉蓮華

 霞が関用語のひとつに「ポンチ絵」というのがある。政策をかみ砕いて説明しましょう、というときの図解やイラストのことだ。幕末に英国人チャールズ・ワーグマンが創刊したマンガ雑誌「ジャパン・パンチ」に由来する言葉らしい。

 それがなぜ今もお役人の世界で使われるのかは不明だが、どこか「マンガのたぐい」を軽んじた調子がないでもない。分かりやすいように絵を描いてみましたが、ほんの戯れでして……といった響きだ。そんな霞が関がどうした風の吹き回しだろう。マンガやアニメを一堂に集めて展示する大型施設を造るという。

 国立メディア芸術総合センターなるこの殿堂、補正予算で突如117億円が計上された。文化庁は「クールジャパンの発信拠点に」と意気込むが無駄遣いを心配する声も強い。それにどんな作品をどう集め、どこに造るのかさえ定かではない泥縄ぶりだ。とりあえずハコモノポンチ絵を描いてみた次第だろうか。

 官に頼らず、世界に誇れるソフトパワーに育ったのがこのジャンルだ。下手に博物館に閉じ込めたりせず、作家をのびのび育てるためにカネを使うのも一案だろう。そもそもマンガやアニメには毒がある。ポンチ絵の元祖、ワーグマンの風刺だって実に強烈なのだ。おとなしくハコに収まるとは思わない方がいい。

春秋 日本経済新聞 7/2
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