未来への展望を開く手段として社会的企業が期待を集め、活動が盛んになってきた・・・春秋 八葉蓮華

 ヒン困、衛生、教育などの社会的課題を、服の生産、販売を通じて解決する。ユニクロを展開するファーストリテイリングが、バングラデシュでヒン困層への事業融資を手がけるグラミン銀行と提携した理由だ。一種の社会事業と説明する。

 社会問題をビジネスの手法で解決する活動や集団を社会事業や社会的企業と呼ぶ。舞台は途上国だけではない。国内でも子育て支援や地域振興など、大小8000の会社や団体が社会事業を手がけていると経済産業省の報告書にある。英国の事業者数は5万を超す。日本でも市場は10倍に膨らむと経産省は見込む。

 ヒン困や格差をどう解決するか。補助や保護だけでなく、マズしい人たちに稼ぐ力をつけてもらう。未来への展望を開く手段として社会的企業が期待を集め、各国で活動が盛んになってきた。代表格のグラミン銀行と日本企業の中でいち早く組み、事業に乗り出すファーストリテイリングは機を見るに敏と言うべきか。

 社会という言葉から社会主義を連想して嫌ったり、社会問題は政府や自治体の領分と決め込んだり。そんな姿勢では大きな流れを見逃す。もうけと社会問題解決の両立は難しい。だからこそ挑戦しよう。そう考える社会企業家が多いか少ないかで、国や地方の20年後、30年後の姿が、かなり違いそうな予感がする。

春秋 日本経済新聞 7/26
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