社会で何をすべきか、真剣に探すための「休学」さまざまな体験を積む・・・春秋 八葉蓮華

 大学生に「戦略的休学」を勧める一風変わったイベントが、つい先日開かれた。主催は若者の起業や就職の支援で実績ある非営利組織(NPO)。海外ボランティアや国内でのフルタイム労働など、大学3、4年生が休学体験を語った。

 このまま就職活動に入っていいのか。そんな思いが1年の回り道の動機だったと口をそろえる。自分の向き不向きを実感し、お金を稼ぐ大変さと面白さを味わう。ボランティアで人の喜ぶ顔を見る楽しさを知った女子学生は、婚礼サービス業に道を定めたと胸を張る。学校の授業だけでは、難しい発見だったろう。

 昨冬の2倍近い学生が先輩の体験を聞きに集まったそうだ。休学や留年などで心地よい学生時代を延ばす流れは昔からあった。今の若者はやや違うという。「社会で何をすべきか、真剣に探すための休学」だと、若者心理に詳しい主催団体の担当者。学生らの前向きな気分が「戦略的」というイベント名にこもる。

 慶大は昨春の新入生から、理由次第で休学時の授業料を免除している。企業で働くなど、さまざまな体験を積むのを助けるためだ。他の大学にも同様の動きが広がる。就職活動の早期化で情報不足や焦りが学生を悩ませる。休学という選択に学生が引かれ、大学が応援するのも、現状への疑問の表れかもしれない。

春秋 日本経済新聞 2/25
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